拙速な国葬閣議決定

毎日新聞の調査によると、安倍元首相の国葬について、賛成30%、反対53%となっている。国民の総意が反対であっても実行されるのだろうか。これまでの政府のやり方であれば、国民の意見を無視して行なわれることになる。でも、そもそも国葬に値するかを考える必要がある。国葬の定義は無い。従って、これまでの実績を見て決めるのが妥当だろう。今までに国葬が行なわれたのは吉田茂だけで、佐藤栄作は国民葬だった。吉田茂はサンフランシスコ講和条約と同時に交わされた日米安保という歴史に残る功績がある。佐藤栄作は沖縄返還、非核三原則、ノーベル平和賞などその功績は歴史に残る。吉田と佐藤の国葬と国民葬に反対する者はいなかった。しかし、安倍晋三には歴史に残る功績が見当たらない。モリカケ桜に加え旧統一教会の問題だけでなく、アベノミクスも株価を押し上げただけだ。最長の首相を務めたが、その要因は選挙に強かったこと。でも、その強さは旧統一教会の選挙活動を利用しただけ。結局、日本政治を旧統一教会まみれにしてしまった。「政治家は歴史の法廷で裁かれることでのみ評価される」は中曽根元首相の言葉だ。国葬は故人の功績を噛みしめて決定されるべきものだ。岸田首相が国葬を閣議決定したことは、あまりにも拙速と言える。