ワンマン風土

日本電産の株価が低迷している。一時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった永守会長だったが、今では社内で四面楚歌の状況にあるようだ。日本電産と言えば、永守商店と言われるワンマン会社だ。脱永守商店を進めなければ今後の成長はない。後継選びのため、シャープ社長や三菱商事常務執行役員を採用したが、眼鏡に合わず退任。現在は日産から引き抜いた関氏が社長を務めているが、辞任は目前だ。永守会長は幹部に「計画達成のためには部門長は社員の先頭になって休日返上で、率先垂範で当たること。休むなどもってのほか」との檄文を送ったというから、頭の中は相当時代遅れだ。今どき、こんなワンマン会長に迎合する輩などいるはずがない。かつてのカリスマは老害をまき散らしているのだ。生え抜きの幹部らも愛想を尽かしているようだ。ワンマン社長と言えば、自分が最後に所属した子会社を思い出す。その社長もワンマンそのものだった。確かに、社内で一番会社のことを考えているのは間違いない。でも、我が強い。自説を押し通す。結局、幹部は何事もワンマン社長の決済を仰ぐ。嫌な風土だった。だが、自分は意見具申した。意外にも社長とはソリが合った。しかし、退社した。退社の理由は3つあったが、ワンマン風土はその1つだった。