潤学って

中国では「潤学(ルンシュエ)」という言葉が流行り始めているという。中国語で「潤」は、漢字の通り「潤い、利益」などを意味する。発音がrunなので、英語のrunに通じ、昨今は「海外へ脱出する、逃げ出す」という隠語になった。現地の口語では「快適に暮らす」という意味もある。つまり「潤学」とは、快適な海外への脱出を成功させるための知識とノウハウを勉強することを指すのだ。コロナ感染者数は僅かなのに中国の主要都市では長期間ロックダウンが行なわれた。経済は止まってしまったし、医療へのアクセスや食糧を得るにも困難が伴う。その結果、中間層や富裕層は中国に見切りをつけ脱出を図るのだ。彼等から見れば、中国は変えようがないし、非難することも出来ない状況なのだ。まさに結論は逃げるしか無いのだ。ところが、当局はこの動きを牽制するため、出国の制限を始めた。潤学を学んでも、出国は出来そうもない。せめて「快適に暮らす」ことを念頭に、権威主義の是非を己に問うてみたらどうだろうか。少しは変わるかもしれない。