時間は短くなってきた

「映画を早送りで観る人たち:稲田豊史:光文社新書」が売れているという。映画を倍速で観るのは、背景に現代社会が抱える余裕の無さがあるからだという。でも、自分は余裕の無さではなく、合理性だと思う。多くの学生がコロナ禍でリモート授業に慣れてしまった。生の授業は無駄な時間が多いことに気付いた。カッタルイのだ。講義を早送りで受講した方が、要領よく理解出来ることを学んだ。だから映画もという訳だろう。自分はテレビで推理物、刑事物を観ることが多い。しかも録画してCMはカットする。CMをカットするだけで物語の筋が鮮明になるメリットがある。作品のテンポは日本製と米国製では顕著に違う。「刑事7人」などは、無駄な画像が多い。主人公が眉間にしわを寄せて事件を推理する。でも、何を考えているのか全く分からない。情緒過ぎる。時間の無駄だと思う。一方、エレメンタリーホームズなどは、何を考えているのかという時間を作らない。考えていることを具体的に映像化し、テンポも速いし、材料も豊富だ。観ていて飽きない。アッという間に物語が展開する。古代から現在にかけて、時間は短くなってきた。これからも更に短くなるだろう。複雑な事象に対処するには合理的だからだと思う。