キョンの駆除とジビエ化

房総半島でキョンが激増し作物被害が深刻化している。キョンは体高50cmほどの草食獣で、元々の生息地は中国南東部や台湾。勝浦市の行川アイランドの閉園に伴い脱走し野生化したとみられている。その数今や4万匹を超えている。千葉県は年間8500匹以上の駆除を目指しているという。県は一方で「房総ジビエ」に力を入れている。県は捕獲されたイノシシとシカの肉を「房総ジビエ」と銘打ち、飲食店での活用やジビエ料理コンテストの開催などで消費を促している。キョンは台湾では高級食材として知られている。でも、県はキョンを房総ジビエの対象から外している。キョンの肉が大量に出回れば、外に放したり、飼育したりする行為により、生息域の拡大につながる恐れがあるからだ。一方で鴨川市では捕獲されたキョンの肉が売られている。100g当たり810~1760円で、美味だという。県は捕獲かジビエかの難しい選択を迫られている。しかし、考えてみれば千載一遇のチャンスとも言える。県は捕獲をハンター任せにせず、県主導で徹底的に駆除すべきだ。同時に、キョンを房総ジビエの目玉として後押しすべきだと思う。YESかNOかの単純な判断では、成すべき事も成せなくなる。