佐渡金山登録の推薦転向は何故

岸田政権が「佐渡島の金山」のユネスコ世界文化遺産登録推薦を表明した。当初岸田政権は推薦見送りを決めていたのに翻った。見送りを決めていた理由は、佐渡金山では戦時中に朝鮮人の強制労働が行われた歴史があると韓国政府の反発が予想され、その説得が今回は難しいと判断していたからだ。かつて民間団体が旧日本軍による従軍慰安婦を世界記憶遺産に登録しようと動いたことがあった。それに対し日本政府は「ユネスコの政治利用だ」と猛反発し流れを止めた。その結果ユネスコは日本の制度改革案「加盟国の反対があるテーマは遺産登録を見合わせる」を承認した経緯がある。世界文化遺産も世界記憶遺産も同じユネスコだ。佐渡金山について、既に韓国は反発している。日本が主導した制度上、当然日本が見合わせるのが道理だ。ところが、安倍、高市ら自民党保守系議員が猛反発し推薦を要求した。政権基盤の弱い岸田は耐えられず推薦に豹変したという訳だ。岸田の推薦転向は参院選がらみと言える。恐らくバイデン大統領は、日韓が揉めている場合かと日本に譲歩を迫ってくるに違いない。岸田政権は風前の灯火だ。