ワリエワ選手ドーピングの行方

フィギュア団体で15歳カミラ・ワリエワの演技はピカイチだった。当然ロシアが金メダルを獲得したが、表彰は延期された。ワリエワ選手のドーピング疑惑が発覚したからだ。ところが、問題は複雑怪奇だ。問題のドーピング対象は北京五輪の2月採取ではなく、昨年12月のロシア選手権で採取されたものだという。昨年12月の検体から禁止成分トリメタジジンが検出されたことが判明したのが今年2月8日だという。何故判明にこれ程遅れたのだろう。トリメタジジンは通常狭心症の薬で、ドーピング剤としては稀だという。トリメタジジンは血管を拡張する作用があるのでドーピング剤として疑われたのかもしれない。でも、15歳の少女がトリメタジジンを服用するのは極めて異常だという。ひょっとすると、ドーピング天国のロシアの新兵器なのかもしれない。ロシアのアンチドーピング委員会が公聴会を開き、暫定的停止を解除することを決定し、北京五輪でドーピング検査を管轄する国際検査機関ITAは、ワリエワ選手が北京五輪の参加継続が認められたとする声明を発表した。だが、IOCはスポーツ仲裁裁判所へ異議を申し立てた。最終結論は出ていない。女子シングルのSPは15日に行なわれる予定なのだが。