原子力はクリーンなのか?

欧州委員会が原子力と天然ガスはクリーンと認定する方針を出したことに対し、小泉元首相ら5人が連名で撤回を求める書簡を欧州委員会に送った。5人とは、小泉純一郎、細川護熙、菅直人、鳩山由紀夫、村山富市の元首相たち。その書簡の中に「福島で多くの子供たちが甲状腺がんに苦しんでいる」という不適切な記載があるとして、山口環境相が小泉らに注意を求める文書を出したとのこと。高市早苗政調会長も抗議の意を表した。苦しんでいる子供たちが多いか少ないかは別として、福島原発事故で多くの人が故郷を失い、事後処理で被爆し多くの人が亡くなった悲劇は厳然たる事実だ。政府の注意や抗議は、原発ありきの輩の嫌がらせとしか見えない。現在欧州では原子力がクリーンと認定された訳ではない。フランスは乗り気だが、オーストリア、ドイツ、スペインなどは猛反対している。本来であれば、大事故を起こし放射能汚染をまき散らした日本が率先して廃原発を進める立場にある。抗議すべきは原子力をクリーンと見做す欧州委員会なのだ。