東証再編の失敗

東京証券取引所が4月に実施する株式市場再編後の全上場企業の所属を発表した。東証は株式市場活性化のため、東証1部、2部、ジャスダック、マザーズの4市場を、プライム、スタンダード、グロースの3市場に再編するという。プライムは世界経済をリードする企業向けで、スタンダードは国内経済の中核で、グロースは高い成長性を持つ企業という定義だ。プライムには、時価総額100億円以上という縛りがある。プライムに東証1部の8割強が移行した。ところが、そのうち16%は100億円以下で資格を満たしていない。東証は、100億円を達成する計画がある企業もプライムに認めたという。では、この再編の目的は何だったのだろうかと疑問が湧いてきた。東証がプライムを設けた目的は、世界経済をリードする企業だから安心して投資をしてくださいと、海外からの投資を呼び込むことだったはずだ。この16%が混ざっていては東証1部と変わらない。元々東証1部はブラックホールのように得体の知れない企業も取り込んできた。折角日本株を世界へアピールするチャンスなのに、自ら蓋をしてしまったようなのもだ。東証役員の交代が必要だと思う。