核戦争に勝者なし

米露英仏中の核保有5大国首脳が「核戦争に勝者はなく、決してしてはならない」と明記し核戦争防止をうたう異例の共同声明を発表した。核兵器を持つ国は核拡散防止条約で保有を認められた米露英仏中のほか、インド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮の9カ国。核弾頭の総数は1万3440発に上り、うち約3720発が実戦配備されている。昨年、核兵器禁止条約が発効されたが、核兵器が増え続けているのが現状だ。5大国の共同声明は、核兵器禁止条約が発効しても核軍縮に逆行しているとの批判をかわすことが目的なのだろう。現実問題として今更5大国が核を使うとは想像し難い。ひょっとすると核を使うかもしれないのはインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮だ。自分には、この共同声明はこれらの国を牽制したもののように映る。