薄っぺらな国民栄誉賞

大谷翔平選手が国民栄誉賞を「まだ早い」として固辞した。最終打撃成績は本塁打46本、打点100、打率257。投手では9勝2敗、防御率3.18、奪三振156でア・リーグのMVPに満票で選出されたのだから、受賞資格は当然ありそうだ。でも、問題は国民栄誉賞には選考基準が無いことだ。国民栄誉賞表彰規程の目的は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること」とあり、表彰の対象は「内閣総理大臣が本表彰の目的に照らして表彰することを適当と認めるもの」と規定されている。つまり、時の総理大臣の思惑で如何様にも決められるということだ。だから授与の検討報道がされるたびに、スポーツの政治利用とか、政権浮揚が目的とか批判されることになる。大谷選手にとっては無用の長物かもしれない。因みに最も多く授与した総理大臣は安倍だ。今のままでは国民栄誉賞の格は低く薄っぺらだ。選考基準を明確に定めるか、無くしてしまうかの対処が必要とされている。