大物官邸官僚が去る

日本の政治を実務的に掌握している人物は誰だろう。決して首相ではない。官邸官僚だと思う。そのトップである杉田官房副長官と和泉首相補佐官が退任する見通しだという。杉田は官僚組織のトップで、各省の事務次官会議を運営してきた。いわば、各省庁に睨みを利かせ人事を牛耳ってきた。官僚が萎縮し仕事をしなくなったのは杉田の存在ゆえと言われている。安倍に都合の悪い前川事務次官が風俗通いをしているとチクって退職に追い込んだり、日本学術会議会員の任命拒否を決めたのが有名だ。和泉は首相補佐官として、国土強靱化、地方創生、健康・医療、成長戦略、科学技術を担当してきた。今年の初めにコロナワクチン入手の交渉を担当した。ワクチンを確保したと菅に報告したものの、契約が杜撰で入手が滞ってしまった。菅はワクチン接種の拡大を指示したが、ワクチンが届かず現場は混乱した。その元凶が和泉だ。和泉は加計問題で暗躍したし、iPS細胞研究の支援を打ち切り、山中教授を恫喝した。それよりも話題となったのが、大坪審議官との不倫出張だ。コロナ対策に関しては、大坪は和泉の威を借り厚労省を支配した。厚労相は何も言えなかったという。杉田と和泉は、8年間も官邸でやりたい放題だった。この2人が去れば、官僚機構も正常に動き出すかもしれない。