政治的なアドバルーンに過ぎない

小池都知事が唐突に渋谷で若者対象に接種会場を開くと発表した。連日若者が押し寄せ長蛇の行列を作っているという。接種拒否が多いという若者が朝早くから列に並ぶというのだから、意外な一面を見たような気がした。でも、よくよく考えると、数のマジックがあるようだ。接種の対象は都内在住か都内に通う40歳未満。ざっと推察しても400万人はいる。もし1%の人が希望しても4万人。一方早朝から列に並ぶ若者は数千人。ところが、一日当たりの接種可能者はマックス300人なのだ。初日は並び順で打ち切り。翌日は抽選券の配布。殆ど全ての若者が長蛇の列で無駄な時間を過ごし、混雑で感染の危機に遭わされ、抽選券も接種も受けられなかった。効率を考えると、対象が若者なのだから、当初からネット抽選にすべきだと思った。それにしても、小池は何故いつも思いつきで突っ走るのだろう。有能な都職員を活用すれば、順調に物事は進むと思うのだが。対象者400万人に対し300回分のワクチン。間違いなく政治的なアドバルーンに過ぎないことは明白だ。この行為は社会的混乱を増長するだけだが、菅にワクチン供給量を積み増しさせる効果はあるかもしれない。泥棒にも三分の理ということか。