尾身会長の反乱の理由

とうとう御用学者の尾身会長が反乱を起こした。ただただ「安心安全な五輪」と繰り返すだけで国民に対して安全を担保する方法を説明しない菅首相に業を煮やした尾身会長が「パンデミックの状況でやるというのは、普通はない。やるなら、開催の規模をできるだけ小さくして、管理の体制を強化するのが五輪を主催する人の義務だ」と政府の不作為を責めた。これに対し政府・自民は「越権行為だ」と怒りまくっている。何もやらない政府対口出しをする尾身会長の、どちらが真っ当なのかは誰でも分かる。何もしない菅にとって尾身は出会いの時から天敵だった。菅は昨年7月に専門家会議を廃止し新型コロナウイルス感染症対策分科会を創設した。緊急事態宣言の発令に言及する専門家会議の尾身の口を封じるためだ。分科会になってからも専門家の意見は封じられ、いつも結論は政府ベースだった。そのくせ菅は会見では尾身を並ばせ、記者の質問への回答は尾身に頼った。そして今回の尾身の反乱となり、菅は再び「尾身を黙らせろ」と激怒しているという。尾身会長は緊急事態宣言の終了期日である20日までに五輪のリスクと対策を提言すると断言した。何故なら政府は分科会を外し、官房副長官を議長とし関係省庁や東京都の幹部職員、大会組織委員会で構成する「新型コロナウイルス感染症対策調整会議」に乗り換えようとしているからだ。調整会議には感染症の専門家がアドバイザーとして2人入っているだけ。現実に感染症専門家を外した五輪感染対策が進行している。