ドタバタの高齢者接種

菅首相が高齢者へのワクチン接種を第一優先で進めている。しかしワクチン供給が不十分でワクチンが届かない市町村が相当数ある。でも高齢者接種を7月末までに終了させると公言した手前がある。そこでワクチン接種が順調にスタートしたと見せかけるため、医療従事者用のワクチンを高齢者に当てるよう指示が出た。未接種の医師は、自ら感染しないかと接種作業にビクビクしているという。また東京と大阪に大規模接種センターを開設するため、菅は自衛隊の医療従事者を活用する指示を出した。菅のこれらの指示は、一見問題無さそうに見えるが、大きな問題を孕んでいる。接種作業をする医師が未接種のため感染すると、クラスターの元になってしまう。目先の目的のため接種順序を変えるのは、まさに本末転倒といえる。また、自衛隊は国家の安全を守るために存在している。自衛隊の活用は、国家安全保障会議で協議し、国家の安全全体を考慮しながら決定すべきものだ。首相が好き勝手に自衛隊を使うのは、国としての危機管理の認識が欠如している。思いつきを最優先させる首相は国をも危うくする恐れがある。