コロナ対策に失敗した証しとして

日本のコロナワクチン接種率はOECDの加盟国で最下位レベルだ。韓国の専門家が、日本のワクチン接種の遅れの原因を指摘している。3つある。1つは、ワクチンの供給不足。国内でのワクチン開発に成功していない。米国の自国優先主義が強まり輸出を抑制しているので日本への供給量は限られている。1つは、ワクチンの認証システム。海外での臨床とは別に、日本で独自の臨床試験を進めていることが遅れの原因。安全面を重視するあまり、緊急時のスピード感の欠如が供給遅れを招いている。1つは、ワクチン接種システムの問題。ワクチンの調達は国が行ない、接種は自治体が行なうと分かれていること。ワクチン接種率を上げるには接種者の管理のデータ化、デジタル化が重要であるが、国と自治体のシステムの連携がスムーズではない。要するにデジタル化が遅れているということだ。東京五輪を開催させるには、ワクチン接種率を上げる必要があるが、今更供給量を増やすことは出来ないし、国と自治体の連携を上げるなど不可能に近い。せめて、臨床試験を特例で簡略化する方法しか残っていない。モデルナ製ワクチンを特例で認可するというが、最早遅きに失っしてしまった。政府は東京五輪を「人類がコロナに打ち勝った証し」と言っていたが、今や「日本がコロナ対策に失敗した証し」として、歴史に跡を刻みそうだ。