政治のカードゲームと化した五輪開催

東京五輪の5者会議が開かれた。バッハIOC会長、パーソンズIPC会長、橋本五輪組織委員会会長、丸川五輪相そして小池都知事。観客数について4月末に決めることになっていたが、6月に先送りされた。日本国民の7割が五輪中止を望んでいるのに、5者は一様にシラをきって中止に言及せず、無観客に焦点をぼかした。尾身コロナ感染症対策分科会会長の言う通り、既に五輪開催の是非を議論すべき時期に来ている。一説によると、もしIOCが五輪開催困難と言い出しても、日本側は開催するための説得と懇願をする方向で一致しているという。と言うのも政府は、五輪を強行開催すれば財界が喜び、国民も熱戦に酔いしれて批判的言動を忘れ、ひいては自分たちの支持率も大幅回復できるとソロバンを弾いているのだ。そこには、国民の命を守るなどという考えは1ミリも無い。最早、五輪は平和でより良い社会をつくることに貢献するという理念など吹っ飛び、人類のためにもアスリートのためにもなっていない。一方で、菅と小池のどちらが先に五輪中止を言い出し、国民の意を勝ち取るかのカードゲームとも言われ出した。強かな小池がそのうち中止を言い出すような気がする。その後実際に五輪が開催されても、国民の命のため中止と言い出した方が政治的な勝ち組になるのだろう。