嘘をつくより、黙っていた方が

BBCは昨年、中国政府が新疆地区の綿花畑で、ウイグル族などの少数民族何十万人もに手作業を強制しているとする調査報道をした。それに対し中国政府はBBCを国内での取材活動を禁止する措置をとった。ナイキとH&Mは強制労働の懸念を表明した。その結果、中国市場から閉め出された。ウイグルのジェノサイドについて触れることは、中国政府だけでなく中国国民からも猛反発を受けることになっている。ところが、日本企業も関係しているようだ。オーストラリアのシンクタンクに「中国のウイグル族の強制労働に関与している」と日本企業14社が指摘された。国際人権団体「ヒューマンライツ・ナウ」と日本ウイグル協会が日本企業14社に質問し、結果を公表した。会見の発表によると、質問に回答した13社は強制労働はなかったとしている。13社とは、日立製作所、ソニー、TDK、東芝、京セラ、良品計画、三菱電機、ミツミ電機、シャープ、ファーストリテイリング、任天堂、しまむら、ジャパンディスプレイだ。唯一回答しなかったのはパナソニックだった。パナソニックは国際人権団体から厳しく批判されているという。でも、情報が統制されている中国では強制労働がされているか調べるのは難しいという事情がある。ひょっとすると、パナソニックだけが真摯に調査に向き合った結果なのかもしれない。嘘をつくより、黙っていた方がましだと。