コップの中の嵐

大阪でコロナ新規感染者が増加している。東京よりいち早く緊急事態宣言を解除したが、今度は緊急事態宣言に準ずる対応が可能な「まん延防止等重点措置」を要請している。この大阪の要請に対し、官邸筋が「行き当たりばったりの対応で失敗」だと酷評しているという。果たしてそうだろうか。感染増加が閾値を超えれば要請を出し、下がれば解除するのが当然の措置であり、決して行き当たりばったりではない。そもそも政府が初めて出した緊急事態宣言は遅きに失した。感染の発生は約2週間のタイムラグがあるから、宣言と同時に感染が減少したのは宣言の効果ではない。宣言など出さなくても自然減少したのだ。政府はすぐに誤りを表明すべきだった。政府は緊急事態宣言を出したくないから、急遽まん延防止等重点措置を創設した。でも、まん延防止等重点措置を出すことに後ろ向きだ。すでに宣言を出す事態になっているというのに。これを優柔不断という。一方国民から見ると、宣言と措置の差は殆ど無いと言える。更に言えば、緊急事態宣言そのものが感染防止対策としての効果を果たしていない。政府が出し惜しみをするような代物ではない。大阪と官邸の言い争いはコップの中の嵐に過ぎない。政府は、より感染防止効果のある宣言に改正すべきだと思う。