トリチウム汚染水の処分方針は?

菅首相が3.11の10周年を迎えるのを前に福島を視察した。菅は福島原発事故から出るトリチウムを含む放射性物質汚染水について「いつまでも決定せず先送りすべきではない。適切な時期に政府が責任を持って処分方針を決定したい」と述べた。この発言は、国民および福島県民の心情として至極当然の内容だと思う。しかし、政府の長である菅の立場で発すべき言葉では無い。先送りしている張本人は政府であり、無責任に処分方針を決定しないのは首相だからだ。菅は10周年ということもあり、形式的に福島を訪れただけだと思う。菅は就任当初の初閣議の基本方針に「福島の復興」を外した。元々菅には復興への使命感も興味も無いのだ。その菅本人が福島へ行けば言うことは決まっている。だから第三者的な無責任な言葉になる。菅が本当に福島の復興を願うのならば「いままで先送りしてしまった。だが、自分の任期中に処分方針は決定する」と決意表明するはずだ。裏返すと「いままで通り先送りし、処分決定は行なわない」との表明と理解すべきだと思う。「適切な時期に政府が責任を持って処分方針を決定したい」と報道するマスコミもまた無責任だと思う。