算術 vs 不作為

緊急事態宣言解除に向けての政府の腰が定まらない。宣言が出された日に西村コロナ相は「解除の基準は東京なら1日の新規感染者が500人まで低下すること」と明言した。ところが、2月16日時点で、10日連続で500人を下回り、1日平均370人ほどにまで減少したが解除する気配は無い。この間ウイズコロナではなくゼロコロナと言い出す者まで現れて、風向きは変わった。その要因は日本医師会の連日の発信だ。中川日本医師会会長は「第4波が来ないレベルまで徹底的に感染者を抑え込むべきだ」と発言し、尾崎東京都医師会会長は根拠も示さず「いま解除すると、4月には1日に千人、2千人になり、第4波が来る可能性が高い」と煽る。医師会には2つの狙いがある。1つは純粋にコロナの撲滅、もう1つは民間病院経営優先のコロナ患者のシャットアウト。医師会はコロナ病床を増やさず、コロナ危機だけを吹聴する。医師会は仁術ではなく算術に長けている。一方政府は国民に自粛要請をするだけで、医師会マスコミ連合に押されっぱなし。ワクチン頼りの一辺倒だが、ワクチンが全てを解決するものでもない。今こそ遅きに失したが、余裕のあるコロナ病床を確保し体制を立て直す時だが、また3波の過ちを繰り返しそうだ。