会長就任のためらい

五輪組織委員会の新会長候補が橋本聖子に絞られたという。森前会長が川淵に会長職を禅譲しようとしたが、過程が不透明だとして非難を浴び川淵が辞退した。それを受け透明性のある会長選びをするという。ところが、透明の「と」の字も見当たらない。後任候補を選考する検討委員会が開かれることになった。でも委員の選考過程は不透明だ。しかも、検討委員会は非公開で、後日議事録も公開しないという。そして僅か1時間の会議で、候補が橋本一本に絞られたという。どう見ても、形式だけを踏んだ出来レースだ。五輪組織委員会は文教族のテリトリーだ。文教族の橋本ならば波風が立たない。政治が決めたレールの上に橋本がいたということだ。しかも森の女性蔑視発言の後だから橋本が女性なのは願ったり叶ったりというところだろう。でも、本人は就任をためらっているという。会長が大役で身に余るということでは無さそうだ。今や国民の8割が五輪開催に反対している。常識的に考えれば、五輪は中止になる。そうなると会長の仕事は敗戦処理になる。検討委員会は「誰が貧乏くじを引くべきか」を念頭に検討したのかもしれない。更にそこに「女性」という要件も入っていたのかもしれない。橋本が生け贄のように見える。