BBCとNHK

中国政府が英国BBC国際放送の中国での放送を全面的に禁止した。今まで中国政府にとって都合の悪いBBCやCNNや日本のニュースは、テレビ画面を一時的にブラックアウトしてきた。ところが、今回はBBCの全面禁止だ。中国の新疆ウイグル自治区では100万人以上のウイグル人たちが投獄され拷問されている事実がある。その実態をBBCが報道したからだ。まさに真実と向き合うBBCの本領発揮だ。事態はジェノサイドの問題として、最早英国と中国は国レベルで険悪な状態に陥っている。でも、日本では殆ど報道されない。それどころか、菅首相はNHKのインタビューに立腹し有馬キャスターを番組から降ろしたり、番組を放送中止にさせている。1月24日の「NHKスペシャル」では「令和未来会議 どうする? 何のため? 今こそ問う 東京オリンピック・パラリンピック」と題する特集を予定していた。今夏の五輪開催が危ぶまれる中、タイムリーな企画だった。ところが何故か突然、近視の人が急増していると報じる「わたしたちの目が危ない」に置き換えられた。「NHKスペシャル」の全面差し替えは理事でも出来ないという。官邸から前田会長に圧力がかかったのは明らかだ。中国の放送局も日本のNHKも政府の思うが儘だ。習近平は国を守ろうとしているが、菅は己を守ろうとしている。どちらも悪行だが、志もスケールも余りにも違い過ぎる。BBCとNHKは違い過ぎて比較の対象にもならない。