漂流するミャンマー

ミャンマーの軍事クーデターから5日が過ぎた。ミャンマーの50年間に渡った軍事政権が民主化され、更に今回クーデターに至ったのは、単なる国内闘争ではなさそうだ。オバマ政権時代に地政学上の重要性から米国が後押ししミャンマーが民主化された。アウンサンスーチーが事実上の大統領となり、ミャンマーは工業化も進みアジア最後のフロンティアと呼ばれた。だが、アウンサンは国軍によるロヒンギャ虐待など無かったと否定したため、西欧からの投資も滞るようになった。アウンサンが国軍と一帯一路の中国に歩み寄った結果だ。今回のクーデターも中国が裏にいると言われている。結局ミャンマーは地政学上の重要性から、米中の綱引きの場と化していると見ることが出来る。歴史に「もし」は無いが、もしアウンサンがロヒンギャ問題の解決に取り組んでいれば、民主化の流れは変わらなかったのだろうと思う。アウンサンについて、英オックスフォード市は名誉市民権を剥奪し、アムネスティは「心の大使賞」を取り消し、パリ議会はパリ名誉市民称号を取り消した。ノーベル平和賞の取り消しを求める運動も広がった。これらが証明している。