ワクチンは安全性が第一

菅首相も小池都知事も東京五輪開催にご執心だ。お二人とも、最後の頼みの綱はワクチンだ。自分もワクチンがあれば、様相は大分変わるのだろうと思ってはいた。ところが、文春オンラインの「鳥集 徹:東京とNYでは大違い…? コロナワクチンの“本当の効果”をシミュレーションしてみた」を読んで考え方が変わった。所変われば品変わると言うように、同じワクチンでも効果は東京とNYでは大違いなのだという。著者は現実的には細かいシミュレーションが必要だが、極めて単純に計算してみたと言う。前提条件として、ワクチンの有効率をファイザー&ビオンテックで公表された95%で、接種率が1年間で人口の50%に達すると仮定し、NY市(人口約834万人)と東京都(約1394万人)の12月21日時点での累計感染者数、累計死亡者数のデータを使って比較した。NYの陽性者39万人だが、来年も同じ39万人と仮定して、人口の半数がワクチンを接種し有効率95%とすると陽性者が20万人強にまで減る。つまり1年間で18万人強の人が、ワクチンのおかげで感染を免れる計算になる。死亡者も1万2000人近く減ることになる。一方で、ワクチンには副作用がつきものだ。重大な健康被害を受ける人が接種者10万人に1人出ると仮定すると、NYでは接種率50%で、42人に重大な健康被害が出る計算になる。結論として、1人が健康被害を受けるが、282人が救われることになる。一方、同じような計算をすると、日本では4人の命を救う代わりに1人が重大な健康被害を受ける計算になるという。結論から言うと、死亡率の少ない日本ではワクチンの安全性が最も大事なファクターになるということだ。少なくとも、菅や小池の上滑りな話を信用してはいけない。ワクチンは安全性が第一。