「3密」と「秘密」

京都清水寺で発表された今年の世相を表す漢字は「密」だった。因みに、2位以下は、禍、病、新、変、家、滅、菌、鬼、疫だった。コロナと鬼滅の刃の年だったと言えそうだ。この結果を聞いて菅首相は「国民のために働く内閣」と言ってきたので「働」だと答えたという。自分は菅の今年の漢字をこう評価する。「働」は間違い。菅は国民のためには働いていない。GoToトラベルに固持し感染を拡大させ、GoToトラベルをいきなり一時停止させて社会を混乱させた。しかもコロナ対策は丸投げだ。恐らく菅も今年の漢字は「密」だと思ったに違いない。でも自ら「密」とは言えない事情があったと見るべきだろう。思い起こせば、菅も絡んでいた桜を見る会、黒川検事長の定年延長、河井案里への買収資金提供問題、菅自身の総理選出の裏、日本学術会議の任命拒否、小池都知事との確執、国会でも記者会見でも回答拒否等々、これらに共通する漢字は「密」だから。菅が「密」と答えれば、四方八方から矢が飛んでくるとでも案じたのだろう。それで、仕方なく、思ってもみなかった「働」とつい口走ってしまったと考えるのが自然だ。菅にとっての「密」は「3密」ではなく「秘密」に違いない。