ガースーとメルケル

欧州でも新型コロナウイルスの猛威が続いている。ドイツでは、一日の新規感染者数が2万人前後で高止まりし、死者数は一日で590人を記録した。普段は冷静沈着ぶりで知らせるメルケル首相が、珍しく感情を露わにして国民により厳しい措置への協力を訴えた演説を行なった。メルケルは握り拳を何度も振り降ろしたり、懇願するように胸の前で両手を合わせたりしながら必死で「どうか、人とコンタクトするのを制限してください!」と強く訴え厳しい制限を懇願した。演説の途中で拍手が鳴り止むことは無かったという。飲食店の営業禁止や国民に犠牲を強いることに対し「ごめんなさい、本当に、心の底から申し訳ないと思っています」と心の底から詫びる姿勢が痛いほど伝わっていた。「魂の演説」として各国メディアが「これまでで最も感動的な演説」と絶賛している。一方日本では、菅首相が73兆円超もの新たな経済対策を打ち出した。でもブルームバーグは「自身の生き残りのための賭け」と報じた。感染対策は自治体に丸投げで、テレビでは薄ら笑いを浮かべ「ガースー」ですと挨拶し、感染拡大の中GoToトラベルを中断することは考えていないと宣った菅に全く危機意識は無いのだから、ブルームバーグの見方は的確としか言い様がない。我が国の首相を直接国民が選べない日本は最悪の状況にある。