望月記者の信条は

東京新聞の望月記者が久し振りに紙面を賑わしている。望月記者といえば菅前官房長官の天敵。「それは当たらない」という菅語に対し、徹底的に食い下がったことで知られている。まさしく真の戦う新聞記者で、これこそジャーナリストの鏡と言えると思っていた。その望月が今度は今回以前の日本学術会議の異常人事をスクープした。実は2018年の会員補充人事でも、官邸側に任命を拒否されていたという内容だ。その証言者が宇野東大教授。当時望月は宇野にオフレコということで情報を聞き出した。ところが、そのオフレコ約束はドブに捨てられ、東京新聞には宇野の証言として載った。勿論宇野は裁判を辞さずと怒っている。一方、自分にも同じような経験がある。自分の嘗ての部下が世界レベルの磁性材料を開発し、当時自分は本社でその研究を推進する立場にあった。そこで業界の専門紙の責任者が取材を申し込んできた。自分はオフレコが条件として概要を説明した。ところが、翌日その内容が専門紙に載ってしまった。この時「記者という職業は泥棒のようなもので絶対信用してはいけない」と後悔した。今、望月記者の信条を問いたい。記事を書くためなら何をしても良いとでも思っているのかと。