チェコの台湾訪問の成果

今月初めにチェコの上院議長が率いる代表団が台湾を訪問したニュースには驚いた。一つの中国を国是とする中国は、台湾と関わった国を徹底的に叩くのが常態化されているからだ。チェコは一帯一路などで中国と親しかったはずなのに、何故敢えて台湾を訪問したのだろうかと疑問に思った。調べてみると状況は見えてくるものだ。中国は2014年に一帯一路構想を掲げた。2016年に習近平がチェコを訪問し、高額な投資を約束した。だが、約束は守られず対中国貿易の赤字が拡大。一方で台湾の鴻海科技集団やACERなどがチェコでビジネスを展開し、今やチェコ第二の企業規模で展開している。チェコが中国を切って台湾を選んだのは当然の結果だったようだ。独仏もチェコを後押ししている。各国の政治家は「一つの中国の原則」は放棄しないが、台湾との経済的な結びつきを重要視する傾向にある。もうすぐ米国は正式に一つの中国を否定し、台湾との国交を樹立するかもしれない。それはそれとして、中国は稚拙で暴力的な外交を悔い改めるチャンスではあるのだが。さて歴史が動き始めたようだ。