月の酸化鉄

月には大気が無く酸素は存在していないはず。ところが、ハワイ地球物理学・惑星学研究所の研究チームが月に酸化鉄が存在することを発見したと発表した。しかも、その酸素は地球の大気が吹き付けた結果だと説明している。鉄は酸素と非常に反応しやすい。すぐ錆びて赤くなる。これまで月に鉄があることは知られていたが、酸化鉄が発見されることはなかった。もし、酸化鉄があったとしても、月に吹き付ける太陽風の水素によって還元されてしまうと考えられていた。研究チームによると、酸化鉄は常に地球に面する月の表側に集中していることが分かったという。一方日本の月周回衛星「かぐや」のデータが、太陽風によって地球の上層大気が月面に吹き付けられていることを証明していた。そこで研究者らは地球の大気が吹き付けた結果だと結論づけたとのこと。NASAは2024年までに再び月面に人類を送る「アルテミス計画」を構想している。現在の酸化鉄存在の根拠は衛星写真のスペクトル解析によるものだが、アルテミス計画で月の実物の酸化鉄を回収出来るかもしれない。宇宙科学は奥が深い。夢が現実になる。