リニア中央新幹線のもめ事

川勝静岡県知事が工事に同意しないため、リニア中央新幹線の2027年開業延期は避けられない状況になっている。川勝知事の主張は3点だ。南アルプスにトンネルを掘ると大井川の水が減少する恐れがあるから湧水を全量大井川に戻すこと。この工事によって地元振興に如何に寄与するのかの基本的な考えも無いまま勝手にトンネルを掘るな。操業時にトンネル内での緊急停車時の人命救助対策が全く取られていない。このうち湧水と振興は話し合いで解決するかもしれない。でも、問題はトンネル内の人命救助手段だ。リニア中央新幹線は殆どトンネルばかりだ。特に南アルプスの下のトンネルは極めて深い所にある。トンネル内で緊急停止した場合、非常口までは3kmの斜坑を徒歩で上らなければならない。更に非常口は最寄りの集落から30~40kmも離れている。現実的に乗客が自力で我が身の安全を確保出来る手段ではない。因みに青函トンネルでは万一のために定点と呼ぶ安全施設が設けられている。しかし、マスコミは大井川の水しか報道しない。ひょっとするとマスコミは事故が起きてから不備を非難するのをじっと待っているのかもしれないと思えてきた。