対照的な女性政治家

小沢一郎が森雅子法相を「腐った頭しか見ていない」と指摘したのは的確な表現だと思う。安倍に黒川東京高検検事長の異例の定年延長をゴリ押しするよう命じられたのは間違いないだろう。森が後付けで口頭承認したと弁明したこと自体で法相失格だ。更に延長の理由として、福島原発事故後、福島県の検察官が身柄拘束している十数人を理由なく釈放し、我先に逃げたと発言した。当時そのようなニュースが流れたと記憶している。恐らく事実だろう。だが、法務省の記録には無い。政界の家族の多くがいち早く沖縄に逃げたのも事実だ。当時の民主党政権の残党が非難し、首相も法相を厳重注意した。事実は兎も角記録が正の世界なのだ。もし森に弁護士としてのプライドが残っていれば、はなから安倍の指示を拒絶していたはずだろうにと思う。一方、新型コロナウイルス対策法案で、枝野立憲民主代表に山尾志桜里衆院議員が噛みつき、採決で造反した。立憲民主は当初事前承認を主張していたが、事前報告で良いと妥協した。妥協の理由「法案をひっくり返す力がない以上、事前承認も、事前報告も事実上同じ」に、山尾がそれでは野党としての仕事を成し得ないと腹を立てた。「国民の健康に直結する喫緊の法案だから、これに限って事前報告で妥協する」と言えば、山尾も造反はしなかったかもしれない。枝野よりも山尾の方が志が高い。