英国のEU離脱元年

英総選挙で保守党が圧勝した。来年1月末のEU離脱が現実的なものになった。決められない政治が、やっと決められる政治に変わりそうだ。それはそれで良かったと思う。EUと英国は立場が逆だが、双方とも道筋が決まったことに安堵しているに違いない。保守党が勝つとは予測されていたが、想定外の圧勝だった。想定外の理由は労働党コービン党首のフラツキにあると思う。当初は離脱を支持していたが、最終的に票欲しさに残留派へ寝返ったからだ。これで労働層の支持を失った。更に、労働党が勝てば、国有化の風が吹き荒れる。国有化に反対の労働党支持層は、保守党に1票を投じたに違いない。ジョンソン首相の勝利は、敵失によるものだと思う。でもEU離脱は容易ではない。ジョンソン首相の「レンジでチンするだけで今すぐブレグジット出来る」との主張は間違っている。先日退任した英議会のバーコウ名物議長は「EU離脱は10年続く」と言っている。1年以内にレンジにチンのジョンソンは首になり、新たな指導者が現われるに違いない。その時こそが英国のEU離脱元年だと思う。