各々方油断めさるな

サウジの石油施設が無人機に攻撃され大打撃を受けた。イエメンの武装勢力フーシ派が犯行声明を出した。米国はフーシ派を支援しているイランを名指しで犯人呼ばわりしている。でも、これまでの経緯を振り返るとイラン犯人説には疑問が湧く。それ以前にトランプは「イランを空爆せよ」と主張していた最強硬派のボルトン補佐官を解任した。そしてトランプはイランとの和解に動き始めた。国連総会ではロウハニ大統領と首脳会談し和解に一歩踏み出す寸前だった。この状況でイランがサウジを攻撃するだろうか。常識的に考えれば、攻撃がイランの利益にならないから、イランが犯人だとは考えにくい。日本タンカーへの攻撃も同じだ。安倍首相がイランに赴いてトランプとの繋ぎをやっている時に、イランが日本のタンカーを攻撃するだろうか。するはずがない。でも、米国と英国は即座にイランの仕業と発表した。だが米国も英国も一枚岩ではない。米国では、軍産と大統領の確執がある。軍産のCIAとMI6がイランに潜り込み、画策したと考えれば辻褄が合う。中東の混迷は、単に米国内の主導権争いなのかもしれない。米国も英国も、そしてイランの主張も、疑ってかかるべきものだと思う。各々方油断めさるな。