幻となるかMGC

MGCの成功の証はテレビ視聴率に表われている。男子レースが16%で、女子レースも14%。しかも、中村がトップゴールを迎える場面では何と24%に達したという。要因は、選考方法の分かり易さと、一発勝負ゆえ生まれた数々のドラマと、選手たちの緊張感が伝わってきたことだろう。日本マラソンの復活を掲げ、折角盛り上がったMGCなのに、次回の2024年パリ五輪の選考ではMGCの存続が危ぶまれているという。問題は大会のスポンサーとテレビ局だ。日本のマラソン大会は、大会毎にスポンサーとテレビ局が決まっている。しかも解説者まで紐付きになっている。声の大きさで言うと、スポンサー、テレビ局、日本陸連の順になる。陸連によると、今回のMGCは東京五輪だからという理由で、特別にスポンサーとテレビ局に配慮して貰ったものだと言う。次回がパリでは説得出来そうもないと言う。陸連は何を考えているのかと疑ってしまう。MGCの目的は、日本マラソンの復活だったはず。目的を達成するために、障害物を取り除くのが陸連の仕事だ。仕事をしないから、今日の日本マラソンの弱体化を招いていることを再認識すべきだと思う。