無計画運休

9日未明に関東を襲った台風15号の被害が想定をはるかに超えた。未だに千葉県の殆どが停電と断水に苛まれている。9日は各地で駅の改札に長蛇の列が出来、乗客はいつ来るか分からない電車を辛抱強く待っていた。何故改札に人が溢れかえってしまったのだろう。JR東日本は前日の8日に、9日午前8時まで計画運休すると発表した。もし台風被害が軽ければ、この対応で凌げたかもしれない。だが、被害状況は想定外の酷さだった。でも、気象庁は接近する前から、関東にとっては史上最大の風台風であることを予報していた。改札に人が溢れかえった主な原因は2つある。一つは、JRが天気予報を安全サイドで判断したこと。異常が生じる場合、危険サイドで対策を図るのが危機管理の鉄則だ。JRの判断ミスと言える。もう一つは、決断するタイミングの悪さだ。8日は日曜日。日曜日に急に明日は計画運休と言われても、会社も学校も対応の取りようがない。出勤通学は各自の判断に任せることになる。JRが平日の昼頃までに判断していれば、会社も学校も対策が取れ、これ程の混乱には至らなかったはずだ。JRにとっては計画運休かもしれないが、利用者にとっては無計画運休と言えそうだ。