嗚呼、ジョンソン首相

ジョンソン英首相の化けの皮が剥がれつつあるようだ。EUとの交渉に失敗し、画期的な交渉材料など無いことが露呈してしまった。議会では解散を脅し材料にしたが、案に相違して反合意なき離脱派の結束を促すことになり、離脱日程延期が裁決され、解散も否決されてしまった。最早手足をもがれたカエル同然だ。残るは解散総選挙の奇跡的な勝利に一縷の望みを託すことしかなくなってしまった。でも、アイルランド首相との会談で「合意なき離脱となれば、国政の失敗でありわれわれ全員が責任を負わねばならない。私は圧倒的に合意を得たいと思っている」と語ったという。何という変節だ。英国民もEUも全世界の人々も欺していたということだ。英国民は離脱派が多いと言われているが、最早ジョンソンを支持する国民などいるはずがない。おそらくジョンソンは、当初は深く考えず離脱を煽ることに満足していたが、事の重大さが明らかになるにつれ、内心は後悔していたに違いない。出来もしない「10月末の合意なき離脱」に突っ走ったのは、早く自分の息の根を止めてくれという合図だったのかもしれない。