血圧と一酸化窒素との関係

血圧が高いため降圧剤を服用している。先日テニスをした後に掛かりつけの医者に測ってもらったら過去最低の120を記録した。医者はスポーツをした後は血圧が下がるものだと言う。常識らしい。でも、その要因やメカニズムは解明されていないようだ。ところが、イギリスとスペインの共同研究チームが、そのメカニズムを解明し発表したとのこと。運動をすると、一酸化窒素の生成によって血管が拡張し筋肉への血液循環が増えることは知られているが、何故運動後も血液循環が高いまま維持されのかを解明したという。一酸化窒素は硝酸塩に変化し、唾液腺に吸収され、唾液とともに排泄される。だが一部の硝酸塩は口腔細菌により亜硝酸塩に転換される。亜硝酸塩が含まれた唾液を飲み込むと、この分子が素早く血液に吸収され、これによって一酸化窒素を生成し、血管の直径が大きくなって、運動後も血圧の下がった状態が続くという。口腔細菌による亜硝酸塩合成が非常に重要であるとの結論を得たとのこと。一酸化窒素のリサイクルシステムが面白い。運動をした後は、あまり口を濯がない方が良さそうだ。