第五のがん治療法

医療ベンチャーの楽天メディカルが「第五のがん治療法」と呼ぶ光免疫療法の商用化を発表した。光免疫療法とは、がん細胞だけにくっつく抗体を作り、その抗体にレーザー光をあてることでがん細胞を壊死させる治療法だ。がん細胞を直接叩く方法は画期的だ。周りの細胞を傷つけないから体に優しいのも特長だ。三木谷社長が父親のがん治療を契機に、7年前から米国ベンチャーに投資し育成してきたという。新技術を見極め実用化させる力に非凡さを感じる。楽天が携帯電話5G事業にインフラ不要の方法で参入することは「楽天5Gの成否」にも書いた。コストを半減させるユニークな方法だ。現在の技術の根本的な弱点を根こそぎ取り払ってしまう革新性に富んでいる。自分はこういう仕事が大好きだ。話を聞くだけで嬉しくなる。三木谷社長の父親の口癖は「企業の使命は人類への貢献」だったという。この親にしてこの子ありということなのだろう。今まで三木谷社長には良い印象は持っていなかったが、見直した。稀代の起業家だと思う。