「災」ではなく「転」

今年の漢字は「災」に決まった。選ばれた理由は、天災が多く発生したこと、防災意識が高まったこと、スポーツ界のパワハラや財務省決裁文書改ざんなどの人災が多発したことだという。安部首相は「転」を選んだ。日ロ関係の動きを取り上げた手前味噌だ。一国の首相としては視野が狭すぎると思う。理由は違うが、自分も「転」を選んだ。今年ほど一流企業の醜聞が流れた年は無い。去年の神戸製鋼所、三菱マテリアル、東レを皮切りに、今年はスバル、日産、カヤバ、ヤマハ発動機、日立化成が続いた。それぞれ日本の技術を代表する大企業だ。自分は「転」を「ころぶ」と読んだ。技術を売りにした企業が、技術を蔑ろにして、欠陥をウソで塗りつぶした。でも技術・品質はウソをつかないし隠せない。やがてはバレるものだ。宗教の宗旨替えを「ころぶ」という。技術信仰の日本企業が技術の重さに「ころんだ」年と言えそうだ。