切ない事故

札幌でガス爆発事故があった。テレビ画像を見ると相当な惨事だ。家が丸ごと吹っ飛び、果たして生き残った人はいるのだろうかと思うほどだ。42人が重軽傷を負ったとのことだが死者が出なくて幸いだったと思う。爆発元はアパマンショップという不動産仲介店。従業員が締め切った部屋で、未使用の消臭スプレー缶約120本を廃棄処理のため一斉に放出した後に湯沸かし器をつけたところ爆発が起きたという。原因が解れば対策案は簡単だが、実施は容易ではない。スプレー缶には、以前は不燃性のフロンが使われていたが、温暖化ガスとのことで無臭で可燃性のプロパンガスに変わっている。プロパンガスは空気より重いので密閉空間では下に澱む。外で処理をしなかったのが敗因だ。もう一つの原因は、従業員が未使用の消臭スプレーを使用済みにしなければならなかった理由だ。消臭スプレーはアパマンショップにとって日銭稼ぎの種だった。入居に伴い1件1万円程度で消臭を依頼される。受諾しても消臭作業をするかしないかは解らない。消臭作業をしなくても支払いの請求は出来る。でも、帳簿上未使用の消臭スプレー缶が残ってしまう。無知で従順な業員は、盲目的に廃棄処理に走ったのだろう。アパマン社長は、何故未使用のスプレー缶を廃棄処理したのだろうかとコメントしている。でも、その放送を見た人は社長の言動を疑っている。勿論自分も。切ない事故だ。