麻疹と風疹

欧米で麻疹(はしか)が猛威を振るっている。子供に予防接種を受けさせない反ワクチン派が多いのが主な原因だという。ワクチンが自閉症を引き起こすという誤った説が流布された結果だと言われている。一方、日本では風疹が流行っていて欧米は日本への旅行を控えるよう警告を出しているという。麻疹と風疹は三日ばしかと呼ばれ、症状が似ているので同じものかと思っていた。ところが違うようだ。麻疹は麻疹ウイルスが、風疹は風疹ウイルスが感染源になる。麻疹は空気や飛沫で感染し、感染すると90%以上の確率で発病する特徴がある。それに較べ風疹は、飛沫や接触で感染するが、15~30%の人は症状が出ないという。麻疹も風疹も共に流産や早産の可能性が高まるとされている。しかし、風疹は胎児に影響を与える可能性が高く、心奇形、白内障、難聴を起こす恐れが高いという。先天性の生涯を引き起こす恐れの有無が、風疹と麻疹の一番の大きな違いとのこと。風疹は質が悪いのだ。麻疹も風疹も共に、一度罹れば免疫が出来るので2度と罹ることはない。だが、麻疹の予防接種を受けていても風疹には罹るし、その逆もあるのだ。麻疹と風疹は違うものだと認識し、しっかり母子手帳に接種の実績を記載しておくことが我が子を守る第一歩になるようだ。ところが問題がある。肝心のワクチンが日本では不足しているという。ひょっとすると医薬業界も認識不足なのかもしれない。