綻びた三権分立

衆院予算委員会で安倍首相が「私は立法府の長だ」と発言し、嘲笑されている。「立法府の長」発言は4回目だというから開いた口が塞がらない。三権分立は小学校でも、中学校でも習う。権力が一つの機関に集中して権力の濫用が起きないよう均衡を図り、国民の権利・自由の確保を保障しようとするシステムだ。立法府である国会、行政府である内閣、司法府である最高裁の3権が互いにチェックし合うことを目的にしている。安倍首相は内閣の長だから「行政府の長」なのだ。立法府は国会だから、立法府の長は国会の議長だろう。安部は若い頃相当勉強をサボったか、またはできが悪かったに違いない。一国の長が国会でこのように醜態を晒すのは見るに忍びない。でも、考えようによっては、安部の「立法府の長」発言は的を射ているとも言えそうだ。法案の提出も成否も自民が握っている。安部は自民の長だから、実質立法府の長だと思っているはずだ。そこで分かった事がある。日本には三権分立など存在していないということだ。安部の「私は立法府の長だ」発言は、三権分立を目指すための警鐘だと解釈すれば、安部は優れた日本の指導者と言えそうだ。いや、そんな訳があるはずがない。