正直、公正な政治家などいない

石破元幹事長が自民党総裁選への立候補を正式に表明した。総裁選のキャッチコピーは「正直、公正、石破茂」。何か変だ。議員の7割以上を制した安倍と戦うために相手の弱点を突こうとする意図はよく分かる。でも、安倍に対し「正直、公正」と旗を揚げるということは「安倍は不正直だし私利私欲に溺れている」ということをアピールしているに過ぎない。地方票の取り込みを狙っただけで主義主張や政策の中身が無い。こんなことで勝てるとでも思っているのだろうか。結果として、このキャッチコピーが石破の地方票を減らすことになるに違いない。総裁選を戦うには、まず政策だ。第一に政策の違いを際立たせることに尽きる。政策に新鮮味や希望があれば、人は嫌でもついてくるものだ。更に人間としての信頼性が認められれば鬼に金棒となる。しかし、残念ながら、石破にはパッとした政策も無いのが致命的だ。自分は石破を好きではないが、安倍よりはマシと思っている。だから石破を貶している訳ではない。もっと頑張ってほしいと思うからこそ、厳しい言葉で声援を送っている。そもそも、政治家が「正直、公正」とアピールすることには違和感があり過ぎる。この言葉は必ずブーメランとして返ってくる。結局、石破の戦術ミスであえなく敗退となりそうだ。