思わぬ発見

孫のお守りで、電車に乗ってO駅近くにある産業科学館の見学に行った。子供が興味を引く催しや展示があると思ったからだ。だが、案に相違して、孫は大して興味を示さなかった。落雷の実験に少し驚いた位だった。見事に空振りだ。でも、行きの電車は面白かった。O駅の改札口は進行方向先にある。そのため先頭車両に乗った。孫と2人で運転士の真後ろから、前の景色を眺めていた。線路がまるで生き物のように動く。左右だけでなく上下にも。自分にとっても先頭車両の景色は初体験だ。この電車は普段も良く使っている。急カーブがあるのは体が振られるから分かるが、上下の動きは分かり難い。殆んど平らで真直ぐな場所を走っているものだと思っていた。ところが、先頭車両で前の景色を確認すると様変わり。平らな所は殆んど無い。真直ぐな所も殆んど無い。電車はまるで障害物競走のように住宅を避けながら縫って走る。更に驚いたのは、坂が多い事。坂を登ったと思ったら下る。平らと思ったら直ぐ坂になる。この繰り返し。これ程近隣が坂だらけだとは思わなかった。普段見慣れない所から眺めると思わぬ発見があるものだと感心した。勿論、孫も先頭車両の前の景色を楽しんでいた。