そのまんま盗作

バラエティ番組は本質的に面白くないと思っているが「プレバト」は心底面白いと思う。毎週観るのを楽しみにしている。お題が出る。それに回答者が独自の俳句で答える。自分も回答者と同じ立場に立って俳句を考える。だが当然大したことは浮かばない。でも回答者が答えると、それを聞いて良し悪しは判断出来る。そのギャップが面白いところでもある。中でも圧巻は夏井先生のコメント。その柔軟さは、的を射ているというよりは、当を得てるという感覚に近い。その道に達すると、こういう風になるのだろうと感じるところもある。今、名人10段位を梅沢富美男と東国原英夫と藤本敏史が同じ9段で競っている。気の利いた俳句を捻り出すのは大変なことだろうとは察している。よくもまあ、捻り出す才能があるものだと感心している。ところが、残念な事実が判明した。行く行くはあり得るなとは感じていた。真っ先に9段に昇段した東国原に盗作疑惑が浮上した。その対象は6月7日に放送された「梅雨明や 指名手配の 顔に×」。しかし昨年6月に宮崎日日新聞の文芸欄には「梅雨寒や 指名手配の 顔に×」が掲載されていた。いま元宮崎県知事の東国原は盗作を否定している。でも自分は日々文章を書く身であるから、文章の重さは重々分かる。東国原の俳句は盗作だと断定出来る。それだけの人間なのだろうと思う。別に個人的に責める積りはない。だが、俳句の隆盛に陰りを及ぼさないかだけが気掛かりではある。