時代に合った判断を

裁判所の判断は判例に基づくものが多い。過去との整合性を大事にするあまり、変化する時代に合った判断を下すものは殆んど無いのが現状だ。ところが、米国の最高裁が画期的な判断をした。州政府がネット通販業者から日本の消費税にあたる売上税を徴収することを認める判決を出した。これまでの判例では州内に店舗や物流施設など物理的な拠点を持たない業者に対して、州は売上税の納付を義務付けることが出来なかった。判事は「物理的な拠点を求めるルールは、小売業者の公平な競争を阻んできた」と指摘。ネット通販が広く普及した時代に即した素晴らしい判断だと思う。日本ではアマゾンの売上が毎年大幅に伸びている。アマゾンは便利だから自分も使っているが、アマゾンが伸びると、小売業者が次々と潰れていく。米国のトイザラスが潰れたのが典型例だ。でも将来もしアマゾンが潰れると、周りは小売業者が無くなっていて買い物難民が続出する事態になる恐れもある。日本では、イオンの進出で周りの小売店が廃業し、イオンが去ると住民は買い物難民になってしまった事例がある。大規模店舗法を復活せよとは言わないが、国会や最高裁の知恵の出し所でもあると思う。