ハゲにヒカリを

理化学研究所と医療ベンチャー会社が、大量に毛髪を増やす技術を開発したと発表した。頭皮から採った髪の毛のもとになる細胞を培養し、毛を作り出す毛包を大量に作り、その毛包を移植するという技術だ。今まで毛のある頭皮を毛の無い頭皮に移植する技術はあったが、毛の数は増えないので、はぎ取った部分は毛が無くなってしまうので実用的ではなかった。培養して毛包という器官を大量に作り出すのが、この技術のポイントだ。毛が生える仕組みはこうだ。毛包の中には、毛乳頭細胞と毛母細胞がある。毛乳頭細胞が指令を出し毛母細胞の分裂を促す。毛母細胞はケラチンというたんぱく質を蓄積しながら次々と死んでいき、上に押し出されて髪の毛になるという具合。因みに、世にある毛生え薬は毛母細胞を刺激して発毛を促すものが多いようだ。今回の技術開発の成果として、背中に毛が生えたラットが放映されていた。如何にも確実に毛が生えると思わせる効果抜群なアピール方法だと感じた。国内には、脱毛症に悩む人が1800万人以上いるという。この技術が実用化されれば、ハゲに希望のヒカリを与えることになるかもしれない。