アルコールの思い出

理化学研究所の研究によると、遺伝子情報を調べた結果、日本人は数千年をかけてアルコールに弱い体質に進化してきたことが分かったとのこと。自分の経験・知識から考えると、エーッという内容だ。自分は、年齢を重ねる毎にアルコールに強くなり、これこそが人間の進化だと思っていたからだ。思い起こすと小学生の時、父に晩酌のお酒を飲んでも良いと言われ、冗談半分に飲んだのが初体験。大学の洋弓部の新人歓迎会で先輩から飲めるのかと問われ「はい、飲めます。ビールをコップ1杯なら」と答えて笑われた。その後、酒好きの先輩が毎日誘ってきた。毎度の如く二日酔いになり、それでも毎日付き合った。お酒に強くなったのはこの経験があったからこそと思う。当時は、お酒の強さこそが、子供から大人へ進化する脱皮の瞬間だと思っていた。その後社会人になってからも、酒量は増え耐性も増した。50歳前後の頃がピークだったと思う。理研の研究結果は衝撃的だ。自分の常識を根底からひっくり返した。アルコールに立ち向かいこれを制することが進化だと信じていたのに、アルコールを遠ざけることこそ進化になるとは。進化とは、環境に適合するということだ。日本人が年々アルコールに弱い体質に進化するのは如何なる理由があるのだろうか。酒は百薬の長という。適度に飲めば薬だが、飲み過ぎれば害になる。きっと日本人は古来から健康オタクだったのだろうという結論に至った次第。