不要なマラソン強化リーダー

来年4月からのプロ転向を表明した男子マラソンの市民ランナー川内優輝選手と瀬古との対談があった。川内選手は先日のボストンマラソンで優勝したが、東京五輪出場には否定的だ。一方、瀬古はボストンマラソンを2度制覇した実績のある日本陸連のマラソン強化戦略プロジェクトリーダー。瀬古は川内を持ち上げ「MGなんちゃらに出てほしい。俺が頭を下げたら出てくれる?」と川内に東京五輪最終選考会のMGCへの出場を迫る。プロ転向について「片手間ではマラソンの世界では戦えない。もっと早くプロになってほしかった」と言う。更に「大迫や設楽は期待通りだったが、川内がボストンで勝つとは思わなかった。本当に嬉しい。川内も日本代表になれば日本も戦える」と言っている。この記事を見て、自分は瀬古の強化戦略プロジェクトリーダー任命は間違いだったと確信した。最終選考会を「MGなんちゃら」と表現するリーダーは、陸連が決めたMGCの重要性を理解していない。「俺が頭を下げたら」という勧誘は高圧的でかつ高慢だ。昔の実績という威光で現役選手が動くとでも思っているのだろうか。今になって「もっと早くプロに」と言うのならば、何故もっと早く川内にサジェスチョンしなかったのだろう。「川内がボストンで勝つとは思わなかったが、勝ったから代表を目指してほしい」とは、今まで川内の実力を見損なっていたからだと言える。結局、瀬古は選手の強化方法が分からない。強くなる選手の素質を見る目も無い。全て結果頼りの後追いだ。強化戦略プロジェクトリーダーによる、東京五輪への実力かさ上げは望みようもない。ただ選手個人の努力を願うしかない。頑張れ、大迫、設楽、川内選手。